Science of Technology

【製品の安全性を確保するために】フタル酸エステル分析をしよう

規制物質を検出する

有機溶媒で抽出

男性

ポリ塩化ビニルは安価で安定性が高く使いやすい素材として、身の回りの製品に多用されています。
塩化ビニル製品を長持ちさせ、柔軟にする可塑剤として、フタル酸エステルが用いられます。
1990年代から、フタル酸エステルは環境ホルモンとして危険性が指摘されるようになりました。
現在では日本でも欧米でも、玩具や育児用品にはフタル酸エステル分析が義務づけられています。
一般にフタル酸エステル分析はヘキサン等の有機溶媒を用いて抽出し、ガスクロマトグラフ質量分析装置やフーリエ変換赤外分光分析装置にかけてスペクトルを解析します。
溶媒抽出法のほか、ソックスレー抽出器や熱分解法が用いられることもあります。
フタル酸エステルに似たスペクトルを示す代替可塑剤があるため、正確な結果を出すには確認試験を行う必要があります。
また試薬はもちろん機器類にわずかな汚染があっても、微量のフタル酸エステル分析には影響を及ぼすことがあるため、可能ならばクリーンルームで分析を行うのが望ましいと言えます。
フタル酸エステルには多くの種類があり、同じ国でも法令ごとに規制されている物質が異なります。
代表的なのは日米欧の3極規制に挙げられた6種類ですが、ほかにも法令によって報告を義務づけられた物質があります。
専門の分析機関では、何種類かのフタル酸エステル分析をパッケージの形で提供しています。
規制されている物質に応じて、パッケージを選ぶとよいでしょう。

多くの種類がある

葉っぱ

エステルとは酸とアルコールが脱水反応を起こして生じる化合物の総称です。
フタル酸エステルは無水フタル酸とアルコールの化合物で、使用されるアルコールによって数十種類に分かれています。
日本で最も多く生産されているのはフタル酸ジエチルヘキシルで、全体の56%を占めます。
次に多いのがフタル酸ジノニルで30%、大きく離れてフタル酸ジデシルで2%となります。
フタル酸エステルは塩化ビニル製品を柔らかくするために添加されます。
多く用いられている製品としては、床や壁紙などの内装材、電線の被覆材やホース類、塗料や接着剤などが挙げられます。
しかし内分泌攪乱物質とされ、発がん性も指摘されていることから、一部の製品にはフタル酸エステル分析が義務づけられています。
日本ではフタル酸ジエチルヘキシルやフタル酸ジブチルが、おもちゃへの使用を禁止されています。
また口に含む可能性のあるおもちゃには、フタル酸ジノニルなどが使用禁止になっています。
アメリカやEUにも同様の規制があり、これらの国に製品を輸出するときは、フタル酸エステル分析が不可欠です。
RoHS指令では、フタル酸ジイソブチルやフタル酸ブチルベンジルを含む4種類が規制の対象になっています。
2019年以降、電気製品や医療機器などに規制が順次拡大される予定で、フタル酸エステル分析が一層重要になるでしょう。
日本の多くの検査機関では、上記4種類以外のフタル酸エステル分析も受け付けています。

身の回りに溢れている

ウーマン

私たちは、食品の中の添加物に対しては過敏になっています。
食の安全に対する意識が高まっているためでもあります。
しかし、食品でない物への添加物には、あまり意識していないようです。
ただ、そのような中でも、フタル酸エステルに対しての関心は大いに高まっています。
フタル酸エステルとは、フタル酸とアルコールがエステル結合した物質の総称です。
用途としては、プラスチックを柔らかくする可塑剤として用いられます。
フタル酸エステルは、内分泌かく乱物質としても認識されています。
ただ、人の口に入るようなケースは稀なので、健康被害は報告されていません。
ただ、塩ビやプラスチックの加工品以外にも、化粧品やシャンプーなどにも利用されていることが多いのです。
フタル酸エステルを添加することで、液状の物が滑らかになる特質が利用されているのです。
化粧品やシャンプーの表示には、フタル酸エステルの項目はありません。
安息香酸や香料といった言葉に置き換えられていることが殆どです。
この物質は海外でも注目されていることもあり、現在、大手・中堅の化学メーカーがフタル酸エステル分析を専門業者に依頼するようになりました。
フタル酸エステル分析は専門業者に分析サンプルを送り、1週間ほどで結果が出るようになっています。
このフタル酸エステル分析を依頼するときには、まず電話やメールなどで連絡をし、その後必要事項を記入していきます。
契約前に見積もり依頼も可能なので、どの程度の費用が必要になるのか確認しましょう。
もし問題ないのであれば、検査用具が専門業者から届き、それで分析サンプルを採取するという流れになっています。
フタル酸エステル分析を行なったあと、結果によっては専門業者から様々なアドバイスをもらえるケースもあります。